バブルを超えて実感した
「年齢を問わない女の王道」
お立ち台の女王と呼ばれ、「ジュリ扇」を振って踊る荒木久美子さんは、誰もが知るバブル時代の申し子です。当時のゴージャスなエピソードや歳を重ねた今だからこそ思う“女性の美しさ”について、大いに語っていただきました。
ジュリアナを知り尽くしたことがブレイクのきっかけ
ディスコに通い始めたのは19、20歳の頃から。お立ち台の女王として知られるようになったのは、テレビ番組「トゥナイト」のディレクターがジュリアナ東京を取材するというときに、「私を連れて行った方がいい!」とアプローチしたことがきっかけです。
当時は毎晩のように通っていたので、従業員の動線からナンパに適した場所、おしぼりボックスの位置まで知り尽くしていました。だから、コースターの裏に連絡先を書いて交換するなら音量が小さいこのスポットがベストとか、お立ち台から降りてきた女の子は暑がっているから、おしぼりを渡しながら声をかけるといいなど、色々なノウハウをお伝えできたんです。
ジュリアナの裏口には、ジュリアナに入らずして女の子を待ち伏せる、通称「ゲッターズ」という男の人たちがいました。誰もが知る芸能人もいましたよ。
でもね、女の側からしたら「与えずして奪う」のがセオリー!男の人からもらうだけもらって、「お持ち帰り」からはスルッと逃げるのが、バブル女の心意気です!
プレゼントの額は今の10倍が相場!?
今思えば、あの時代は、いい大人も熱に浮かされている感がありましたね。
TV局の打ち上げでタレントとの飲み会がよくあって、タクシー券はもらいたい放題でした。
今は打ち上げすらないですし、タクシー券は広告代理店も出し放題じゃなくなりましたよね。
私のお友達には、まだ付き合ってもいない人から赤いベンツの鍵を渡されそうになっていた人もいましたよ。もちろん、彼女もちゃんと逃げてたけど(笑)
ちょっと面白いプレゼントとしては、当時フェレットなどの変わったペットを飼うのが流行していて、孔雀のつがいをあげるって言ってきた人もいましたね。
プレゼントに関しては、今とは一桁違っていました。義理チョコのお返しが数万円のハイブランドのアクセサリーだったり、本命チョコへのお返しは数十万円クラスのハイブランドのバッグだったり。
だから、今の男性には、声を大にして言いたいの!
本命の彼女には、数万円のワンピースぐらい、気持ちよく買ってあげて!
うっすら気づいていた女の賞味期限
バブル当時は、「若くてキレイな女」と「お金を持っている男」が幅を利かせていた時代。当時20代だった私も、チヤホヤされるのは若いからであって、これが一生続くわけはないということはわかっていました。バブルという波に乗りながらも、この先どう生きていこうかと考えてはいました。
バブル後は母がやっていた銀座のバーラウンジを手伝っていたのですが、29歳で開業医と結婚。でも、私が専業主婦に収まりきれなかったこともあり、3年で離婚しました。
その後、日本で初めてのネットビジネスの学校に通い、メルマガなどで恋愛系情報の発信を始めたことが、婚活女子をサポートする今のお仕事につながっています。
ビジネスの学校で、自分に何ができるか、を真剣に考えたとき、銀座の夜を見続け、芸能界ではモテの猛者を見続けてきたことが私の強みかなと思って。
起業当初は男性向けの恋愛術に軸足を置いていましたが、それが徐々に婚活に変わり、2014年からは「東京美女活工房」として、女性向けに婚活をサポートしています。
また、ブログで活動状況をお伝えしています。ぜひご覧ください。
ちなみに私自身は、2013年に再婚しまして、今年結婚10周年を迎えました。
私が事細かに設定した男性に対する「56の条件」を全てクリアした、最高に素敵な男性です!
大人の女こそ、王道の美しさがベスト
女性は26歳を過ぎると婚活に苦労します。若い頃のように、数年越しの恋愛をする時間的余裕は残されていません。大人女子には、「6週間でプロポーズされる方法」や「彼氏をつくらずスピード婚」を提唱しています。
そのためのテクニックは色々とあるのですが、あえてひとつご紹介するなら、女性から「ご飯友達になろうよ」という雰囲気を作ってあげると良いですね。「何曜日なら暇だよ」とか、「一人ご飯はつまらないよね」といったことを伝えて、相手が誘いやすくしてあげることが大切。その後、あえてハシゴを外すテクなども駆使して欲しいところです(笑)
今、40~50代が中心のインフルエンサーや読者モデル育成も手がけています。起業家の女性も多いのですが、ある程度年齢を重ねた大人女子は、「清楚感」と「いい女」のバランスが重要です。
もちろん、個性的な装いも悪くはありませんが、それは多くの人の心をつかんでから。ものごとには順番があって、ファンを獲得してポジションを取れば、いくらでも横展開できるんですよね。
だから、私が推奨するのは、おじいちゃんが見ても小学生男子が見ても「あのキレイな人」と思われるメイクや装い。全世代が好きな「峰不二子」こそ王道なんです。
60代でもボディコンを着る「あきらめの悪い女」でいたい
若いころから相当わがままに生きてきた自覚はあります。そんな感じで人生を切り分けていって、最後に残ったエッセンスが今の私です。
60代になってもその先も、好きなことを追求して生きていきたいと思っています。
才能ある人を発掘して、育成するためにもっと事業を大きくして『東京美女活工房』を総合エンタメ業に成長させていきたいですね。
見た目としては、60代でボディコンを着ていたマレーネ・ディートリッヒのように、私も60代でボディコンを着こなしたいです。
bjb世代の皆さんも、「あきらめの悪い女」でい続けましょう!
撮影/高嶋佳代
取材・文/朝倉真弓