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これからは、子どもや若い人たちのために、
社会をよりよくするのも私たち世代の役目だと思う

ラッキィ池田さんインタビュー

1980年代からユニークな振り付けで注目を集め、テレビ番組、CM、映画、舞台、コンサートなど幅広いジャンルで活躍を続けているラッキィ池田さん。近年は「妖怪ウォッチ」の「ようかい体操第一」の振り付けなどで子どもたちにも大人気の池田さんに、バブル期の思い出、これからの生き方などについてお聞きしました。

ラッキィ池田

1959年、東京都出身。70年代からディスコに通いはじめ、独学でダンスの技術を獲得。80年代中頃からダンサーとして活動を始め、振付師、タレントとしても活躍。

振付師として注目されたきっかけは、 “消費税3%ダンス”

80年代からダンサーとして舞台や映画に出演しはじめ、その後、振付師としての活動を開始しました。
みなさんに注目していただいたきっかけは、バブルの時期に大人気だった“イカ天”(『三宅裕司のいかすバンド天国』/TBS/1989〜1990年)の後の時間に放送していた『オフィスヒット』という深夜の情報番組。
ちょうど消費税が導入された時期で、“消費税3%”をテーマにしたダンスを披露したら、これがめちゃくちゃウケて。「あのテンションが高いダンサーは誰だ?」と、いきなり名前を知ってもらえるきっかけになりました。

あれから約35年経って、今の消費税は10%。計算しやすいけど、やっぱり3%のほうがいいですよね(笑)。時代の移り変わりを感じます。

CMの振り付けで超多忙だったバブル期、CM制作の現場は…?

宮沢りえさんが出演した『ポカリスエット』、本木雅弘さんが出演した『ジャワティ』などなど、バブルの頃は、CMの振り付けをたくさんやらせていただきました。
振付師はあくまでも裏方。当然ですが、楽屋が用意されているわけではなく、スタッフのみなさんと一緒にいることが多かったです。私としてもそのほうがよかったし、苦労しながら制作できたことも楽しかった。

クライアント、CM監督としっかり打ち合わせして、振付も決まった段階で、タレントさんから「それはできません」と言われたことも今となってはいい思い出(笑)。
シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)にやかんを持って踊ってもらったり(「カップヌードル」のCM)…、面白いこともたくさんやらせてもらいました。

タレントしても大活躍!
心に残る関根勤さんの言葉は…

関根勤さんとの出会いから『カンコンキンシアター』(関根さんが座長をつとめる演劇集団)に参加させていただき、活動の幅が広がりました。
当時、関根さんが仰っていたのは、「パッと出た人気は、引いてしまうのも早い。ウケることだけを考えず、自分がいいと思うことをやろうよ」という言葉。 振付師やダンサーは人間国宝にもなれないでしょうし(笑)、好きなようにやるべきだなと。
そんな経験からか、今は人間の業をすべて認めて、それを解放できるような活動ができたらいいなと思っています。

新しいことへの挑戦も続けています!
最近はギャグ漫画を作って、編集部に持ち込んだんですよ。編集者の方にケチョンケチョンにダメ出しされたんですけどね(笑)、でもそんなこともいい刺激になるんですよね。

子ども向けの番組に積極的に出演し続ける理由

アニメ『妖怪ウォッチ』の『ようかい体操第一』もそうですが、子どもがよろこんでくれる振付を作るのも大好きです。
『にほんごであそぼ』(NHK Eテレ)の『偉人とダンス』もそう。
「弱さや弱点は、やがてあなたのキャラクター、個性となっていくでしょう」(アルベルト・アインシュタイン)といった偉人の言葉をダンスで伝えています。

子どもにダンスを教える機会もあるのですが、意識しているのは子どもたちが楽しんで踊っているかどうか。
これから未来へ進んでいく子どもたちに対して何ができるか、いつも考えていますね。
広島東洋カープの『CCダンス』、横浜DeNAベイスターズの『ハッピースター☆ダンス』の振付も作らせてもらったのですが、みなさんが楽しく踊ってくれているのがうれしいんです。

「体の健康は心の健康から。いろんなことに興味を持ちましょう!」

バブル世代の方々はもう還暦を過ぎた方も多いですが、みなさん、まだまだお元気ですよね。「ようやく我々の時代が来た!」という感じかな(笑)。
もちろん健康は大事ですが、まずは心の健康を保つために、できるだけ平穏に過ごせるように意識してみてください。
たとえばウォーキングするときに、目に入ってきた花の名前を調べて覚えてみる、今まで読んだことがなかったジャンルの小説を手に取ってみるだけでも、興味の範囲が広がって、心配事もちょっとは軽くなるのでは?

仕事一筋の生活から解放された後は、若い人たちのために社会を良くすることも考えたいですよね。それが私たちの世代の役割だとも思うので。

インタビュアー:㈱エンファム.bjb編集部kotaro
インタビュアー:㈱エンファム.bjb編集部kotaro

撮影/高嶋佳代
取材・文/森 朋之

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