<不定期連載>ルージュ世代におすすめの“ちょいイケ”ワイン①
将来はジェームズ・ボンドが愛飲するかも?
“イングリッシュ・スパークリングワイン”
華やかなことが大好きなルージュ世代に、ちょっとひねりの効いたワインをご紹介する新企画!
プレゼンターは『パーソナライズワイン診断』記事でお世話になった、ワインコンサルタントの加藤勝也さん。聞き手兼ライターは、50歳を機に勉強を始めワインエキスパートを取得したとがみ淳志で、ともにルージュ世代ど真ん中。これからのワインライフが充実するおすすめの1本を、ふたりで紹介していきます!
1回目は、イギリスで造られているスパークリングワインです。
シャンパーニュ地方から続く土壌が決め手
【とがみ】 『ルージュ世代におすすめの“ちょいイケ”ワイン』の記念すべき1回目。となるとやっぱり?
【加藤】 優雅な泡ですよね! スパークリングワインといえば、王道のフランスのシャンパーニュをはじめ、イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァなどが有名ですが、今回紹介するのは、 イングリッシュ・スパークリングワイン。
『ハッティングレイ・ヴァレー クラシック レゼルヴ ブリュット N.V.』は、イギリスで造られています。
【とがみ】 イギリスでブドウを育てているというイメージはあまりなかったのですが。
【加藤】 確かにイギリスは気候が冷涼過ぎるという印象ですが、「ハッティングレイ・ヴァレー」というワイナリーは、温暖な南部のウエスト・サセックス州にあるんです。実はここのブドウ畑は石灰質の土壌が中心。これはフランスのシャンパーニュ地方と同じなんですよ。
【とがみ】 なるほど、ドーバー海峡の下で土壌が続いているということですね。なら栽培しているブドウもシャンパーニュ地方と同じなのかな?
【加藤】 ご明察! シャルドネとピノ・ノワール、ムニエという3品種が主力で、このスパークリングワインもこの品種で構成されています。さらに瓶内二次発酵というシャンパーニュと同じ醸造スタイルで造られていると補足すれば、どれだけ優秀なワインかお分かりいただけるでしょう。
実はオーナーのサイモン・ロビンソン氏は、凄腕の弁護士。きっとワインが好きで夢を叶えたんだと思います。このあたりにロマンも感じたので“ちょいイケ”にぴったりかと(笑)。あとカッコいいと思うのは、環境に配慮したワイナリーだということ。最先端のごみ処理施設を持ち、太陽光発電も取り入れているんですよ。
【とがみ】 サステナブルにも注力しているなんて、スマートですね。さてどんな味わいか気になるところ。早く飲みたいです。
キレがあって、コクもある!
【加藤】 シャープな酸味と、瓶内二次発酵に由来するふくよかさが際立っています。キレがあるのにコクもあるという、不思議な味わいなんですよ。
【とがみ】 確かに。最初はクールな印象だけど、やがて温もりが現れてくるような…。香りの変化も楽しめる大ぶりのグラスがぴったりですね。どんなシーンで開けるのがおすすめですか?
【加藤】 魚介類に合うので、例えば顔馴染みのお鮨屋さんに持ち込ませてもらい、この1本で通してみてはどうでしょう。手巻き寿司のホームパーティーでも活躍間違いなしです。
【とがみ】 まさにイギリスの“シャンパーニュ”! イギリスのイケオジと言えば、007ことジェームズ・ボンド。彼もいつもシャンパーニュを飲んでいるイメージですが…。
【加藤】 初代ショーン・コネリーが『ドン ペリニヨン』、最新のダニエル・クレイグが『ボランジェ』と、演者によって銘柄が決まっているんですよ。
【とがみ】 そうなると愛国心が強いボンドなら、将来『ハッティングレイ・ヴァレー クラシック レゼルヴ ブリュット N.V.』を飲むシーンがあるかもですね。
【加藤】 観てみたい!
次回のワインもまたひねりがあるものを考えるので、期待してくださいね!
◆ワインデータ
『ハッティングレイ・ヴァレー クラシック レゼルヴ ブリュット N.V.』
[生産者]ハッティングレイ・ヴァレー
[生産地]イギリス・イングランド
[タイプ]スパークリングワイン ・辛口
[品種]シャルドネ50%、ピノ・ノワール30%、ムニエ20%
[価格]5,150円(税込)
◆ここで購入できます
①「wine@EBISU」で買う
[TEL]03-6303-3164
[住所]東京都渋谷区恵比寿南1-4-12岩徳ビルⅡ3F
[営業時間]平日ショップ:12時~21時(金曜は~22時)、バー:16時~21時(金曜は~22時)、土曜ショップ・バーともに12時~22時、日・祝日ショップ・バーともに12時~18時
[定休日]火
[アクセス]JR、東京メトロ日比谷線「恵比寿」駅西口より徒歩2分
②「wine@オンライン」で買う
ワインコンサルタント/加藤勝也さん
1970年生まれのルージュ世代。大学卒業後、生活情報誌編集部、テレビ局などで勤務。2002年、ワインと食を学ぶため、渡仏。帰国後、ワイン専門雑誌『ワイン王国』に入社、経営に参画。ワインマーケットの現場で培ったノウハウ、食に関する知識と経験をもとに、2016年株式会社ワインアンドフードラボを設立。コンサルティングなどの実績多数。2021年より『wine@』を運営する株式会社ブロードエッジ・ウェアリンクの取締役に就任、現在に至る。
聞き手・文/とがみ淳志
1964年生まれのルージュ世代。(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート/SAKE DIPLOMA。温泉ソムリエマスター。日本旅のペンクラブ会員。日本旅行記者クラブ会員。国内外を旅して回る自称「酒仙ライター」。40歳台半ばから取材をする機会が増えてワインに目覚め、50歳で一念発起してワインエキスパートを取得。専門雑誌『ワイン王国』や酒の啓蒙サイトなどで執筆中。