ヘルペス頭痛の症状と治療法
福岡県で27年、頭痛専門医として多くの方を治療している陣の内脳神経外科クリニック院長の陣内先生に、ヘルペス頭痛について取材しました。
お話を伺ったのは…
陣内敬文(じんのうちたかふみ)先生
・頭痛専門医、脳神経外科専門医
・陣の内脳神経外科クリニック院長、天神頭痛クリニック院長
・長崎県生まれ。長崎大学脳神経外科に入局。国立病院や総合病院の脳神経外科、救命救急センターなどに勤務。1995年、福岡県春日市に陣の内脳神経外科クリニック、2014年、福岡県福岡市に天神頭痛クリニックを開業。
「ヘルペス」とはどんな病気?原因は?
ヘルペスとは、ヘルペスウイルスによる感染症のことで、単純疱疹または帯状疱疹を指します。
皮膚や粘膜に感染し、小さな水ぶくれが集まったような症状を引き起こすものです。
単純疱疹は唇に症状が現れる「口唇ヘルペス」、性器に症状が現れる「性器ヘルペス」、顔面に症状が現れる「顔面ヘルペス」などがあります。
帯状疱疹は体の一部に赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に現れる病気です。
ヘルペスウイルスは、一度感染すると一生の付き合いと言われています。初めて感染した後、神経の中に潜り込み、一生すみつくという特性を持っているためです。初感染時に免疫が作られるため、普段症状は出ませんが、過労やストレス、睡眠不足、不規則な生活などによって体の免疫力が低下すると、たちまちウイルスが活発化し、痛みや水ぶくれなどの症状が現れます。
「ヘルペス頭痛」とはどんな症状でしょうか?
「ヘルペスウイルス」は感染した部位に近いリンパの腫れや痛み、だるさや発熱、頭痛など、さまざまな症状を引き起こすことがありますが、その中で発生する頭痛を「ヘルペス頭痛」と呼びます。
また帯状疱疹が原因の場合、耳の後ろから後頭部にかけて痛みが発生することが多いとの報告があります。
頭痛を訴える患者さんの後頭部を診察すると、皮疹が出現していることもあります。ひと口に頭痛といっても、ヘルペス頭痛だったりすることもあるので、注意が必要です。
また悪化すると、ヘルペス脳炎になる可能性も。軽い頭痛からはじまり、発熱、嘔吐、痙攣などの症状が現れますので、その場合はすぐに神経内科などを受診しましょう。
改善方法はありますか?
治療としては薬物療法が一般的です。症状によって内科や皮膚科、耳鼻科、脳神経外科での受診をお勧めします。ヘルペスの原因は過度な疲労、ストレスなどの場合が多いため、一番の予防法はゆっくり眠ること。早寝早起きをして、規則的な生活リズムを続けることにより、改善する傾向があります。
日々の生活でストレスを溜めないよう、上手にリフレッシュを取り入れていくことが大事だと思います。
●陣内先生の著書をご紹介●
取材・文/YOOOOOOOKO(よーこ)