一生現役。引退しない生き方
を提案するメディア

人生っていいことも悪いことも“プラスマイナス0”
だったらいいことに目を向けようよ

パパイヤ鈴木さんインタビュー

振付師でタレント、俳優としても活躍するパパイヤ鈴木さん。「パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ」でお馴染みですが、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」やスズキ「ソリオ」のCM など振付師としての活躍ぶりも長きにわたって一目置かれています。おやじダンサーズ結成25周年を迎えた今、仕事のこと、これからのことなど語っていただきました。

パパイヤ鈴木さん

1966年東京生まれ。高校時代にバンドで米軍キャンプをまわり、17歳の時にポリドールよりレコードデビュー。20歳の頃より振付師としての活動を開始。1998年「パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ」を結成。振付師・歌手・タレントと並行して俳優へと活動の幅を広げると、2009年のNHK大河ドラマ「天地人」出演をきっかけに33kgのダイエットに成功し、著書「デブでした。」が大ヒット。振付作品にAKB48「恋するフォーチュンクッキー」、 ロッテ「Fit’s」CM、スズキ「ソリオ」CMなど多数。2023年、おやじダンサーズ結成25周年を迎え、4月に2daysの記念公演を成功させた。

おやじダンサーズは今年で結成25周年

Twitter

Instagram

がむしゃらに働いたバブル時代

バブル期の頃、僕は20代だったんですけど、バブルを象徴するような華やかな生活とは無縁で、ドロドロに働いていましたね(笑)。16歳でダンサーとしてデビューして、19歳でダンサーを辞めて、実は20歳の時にCBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社したんです。

そこで、振り付けをやってみないかと言われたのがきっかけで、振付師という裏方の活動をスタート。その傍らで姉と一緒に自分の会社も立ち上げました。イベントの企画を立てて、ダンサーを集めて、音楽を作って…。振付はもちろん、作曲、編集、音響、照明、ワイヤリングなど、すべての作業を自ら行っていたので、1日2~3時間睡眠は当たり前。仕事、仕事、仕事の毎日でしたね。

おやじダンサーズはこんな思いから誕生した!

32歳の時に「パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ」を結成したのは、当時ヒップホップが全盛期で、もちろんかっこよかったんですけど、違うジャンルでなにか面白いダンスチームを作りたいなと思ったからなんです。

本業はトレーラー運転手や整体師という、普段は冴えないおやじたちが、キレキレのかっこいいダンスを踊ったら面白いだろうなって。今の30代は若いですけど、当時は30代でもおじさんのイメージでしたからね。

僕自身、デビュー当時は今とは別人なくらいに細かったけど、30代に入ってから100㎏を超えたんですよ。当時、ウルフルズさんの振付も担当していたんですけど、僕みたいに「デブなのに踊れるのが面白い」って監督に言われたひと言も大きかったかもしれません。

今後の活動ですが、錦織一清氏と新ユニット「Funky Diamond 18」(ファンキー・ダイヤモンド・ワン・エイト)を組んで、7月から全国ツアーが始まります。アルバムも、ちょっと面白いラテンの曲をカバーしていて、めちゃくちゃかっこいいんですよ。今、レコーディング真っ最中ですが、楽しみにしていてくださいね。

Funky Diamond 18のツアー情報はこちらからご確認ください。

“振付師”という誰かの背中を押す仕事が好き

今も、テレビなど表に出る仕事も少しだけさせていただいてるんですけど、50代になった今、振付師のように裏方で人の背中を押す仕事って改めて好きだなぁと思っています。

その人を輝かせるにはどんな振付がいいのかを考え、音楽、照明、衣装、ヘアスタイル…とたくさんの人が関わっていて、自分もその歯車のひとつとしてチームで作りあげていく。本番のショーは一瞬で終わってしまうのだけれど、細かい作業をみんなで重ねていくその過程がすごく楽しいんですよね。

人生100年時代、逃げ道をひとつは持っておきたい

僕は、先のことってせいぜい1カ月後ぐらいのことしか考えていないんですよ。だから、まもなく57歳になりますが、人生100年時代におけるこれからの40年とかって正直言って想像できない。

ただひとつ思うのは、生きるうえで逃げ道はひとつ持っておいた方がいいなぁ、と。釣りでもゴルフでも旅行でもグラビアが好きでも、何でもいい。僕はこれと言った趣味はないけれど、“酒”という逃げ道を持っています(笑)。嫌なことがあったら酒を飲んで忘れる!と、昔も今もそこに逃げ道がある。

そういうものがひとつでもあるだけで、人生ってもっとラクに生きられるし、楽しくなる気がします。

人生は、心が元気な方が楽しいに決まってる!

僕の座右の銘は、“人生はプラスマイナスゼロ”。
生きていれば、いいことも悪いこともある。人って不幸に目を向ける天才だけど、不幸と同じ数だけ幸せもあるんですよね。だって、日陰があるのは日が当たっている証拠なのだから。

だったら、目を向けるのは不幸じゃなくて、幸の方がいい。
どんな日であっても、今日をどれだけ楽しく過ごせたか?というのは僕自身の中で大切にしていることかな。

インタビュアー:㈱エンファム.bjb編集部kotaro

例えば、今日こうしてお話した時間も、「あの時、楽しかったよね。また戻りたいよね」と思う日が訪れるかもしれない。そうだとすれば、今日ってとても特別な日じゃないですか。今日という日が、今という時間が特別なんだ、と思いながら、1日1日を精一杯大切に過ごしたいなと思っています。

インタビュアー:㈱エンファム.bjb編集部kotaro

撮影/高嶋佳代
取材・文/門司智子

この「読みもの」をシェアする