<不定期連載>ルージュ世代におすすめの“ちょいイケ”ワイン②
異国で夢を叶えた木村夫妻の“人にも地球にも優しいワイン”
華やかなことが大好きなルージュ世代に、ちょっとひねりの効いたワインをご紹介する新企画!
プレゼンターは『パーソナライズワイン診断』記事でお世話になった、ワインコンサルタントの加藤勝也さん。聞き手兼ライターは、50歳を機に勉強を始めワインエキスパートを取得したとがみ淳志で、ともにルージュ世代ど真ん中。これからのワインライフが充実するおすすめの1本を、ふたりで紹介していきます!
第2回目は、ニュージーランドで醸造されたピノ・ノワール種の赤ワインです。
サービスするうちにワインの虜になり、自ら醸すことに!
【とがみ】 『ルージュ世代におすすめの“ちょいイケ”ワイン』の2回目。年が明けまだまだこれから寒くなる時期、身体を冷やしてはいけないお年頃(笑)なので、赤ワインが欲しくなります。
【加藤】 そう来ると予想していたので、今回は赤をご用意しました。「キムラ・セラーズ」の『マールボロ ピノ・ノワール2020』です。
【とがみ】 ワイナリーの名前から、最近注目度の高い日本ワインかと思いきや、「マールボロ」と言えばニュージーランドですね。
【加藤】 そう、2009年に南半球のニュージーランドで設立されたワイナリーです。創業者オーナーの木村滋久さんの前身は実はホテルマン。ちょっと身内の話で恐縮だけど、私の兄が「ザ・キャピトルホテル東急」に勤めていて、同僚だったんですよ。
「和食レストランのサービスをしていた仲間が、ホテルを辞めてワインを造ることになった」と聞いてから、ずっと気になっていて…。
ワインを提供しているうちにワインの虜になり、ソムリエ資格を取得したのに留まらず、自分で造るなんて、チャレンジャーでしょう。
【とがみ】 カッコイイ! 国内で起業するのも大変なのに、海外へ出ていくのは勇気が要りますよね?ご家族は反対されなかったんでしょうか?
【加藤】 妻の美恵子さんも「ザ・キャピトルホテル東急」で働いていて、職場婚。反対しなかったばかりか、ワイン醸造を学んで一緒にブドウを育てているというから、とても素敵なご夫婦ですよね。
現在美恵子さんは、ワイナリーの一角でB&B(ベッド&ブレックファスト/宿泊施設)も営んでいるそうですよ。
【とがみ】 ワイン好きな実業家が成功して、自らのワイナリーを興こす、という話もロマンがあるけど、家族で汗水流して夢を叶えたと聞くと、ホッコリさせられますね。木村夫妻がどんなコンセプトでワインを造っているのか気になります。
【加藤】 何と言っても、オーガニック栽培されているというところがポイントですね。
除草剤や殺虫剤を使用しないブドウ栽培を掲げていて、とても手間暇かかる農法に家族経営の小さな生産者が取り組んでいるんですよ。
畑が持続可能なのはもちろん、子どもたちもその中で育つから、健やかな環境を整えたいという思いも強いのでしょう。
【とがみ】 そういう思いやりのある方は、間違いなく飲む人の健康も考えているんでしょうね。家族にも飲み手にも、そして地球にも優しいワイン。今流に表現すれば、「とってもエシカル」ですね!
では早速テイスティングに。ホスピタリティあふれるワインは、どんな味がするのか楽しみです。
強い海風が、きれいな酸味をもたらす
【加藤】 ニュージーランドって南のイメージがあり、温暖な気候を思い浮かべがちです。
が、ワイナリーの位置するマールボロ地区は、南島北東部の海沿いで、強過ぎるといわれるほどの海風が吹き、実はとても冷涼なんですよ。
【とがみ】 すみません、待ちきれなくて飲んでしまいました。個人的には冷涼なフランスのブルゴーニュ地方やドイツのピノ・ノワールが好き。他の国では果実味が豊かな印象があるんですが、こちらは私好みの酸味がシャープで豊かなタイプですね。思わず笑みがこぼれてしまいます。
【加藤】 もう、せっかちなんだから(苦笑)。
イチゴなどの赤いベリー系果実の香りにオーク樽の風味が溶け込み、タンニンは強くなくてなめらか。酸味がエレガントで、確かにブルゴーニュ地方のピノ・ノワールに通じるものがありますね。
【とがみ】 和食には白ワインが合わせやすいと思うのですが、このタイプの赤ならいけそう…。
【加藤】 良いと思いますよ。煮物や焼き物と相性が抜群ですが、ここは少し変化球でお刺身に合わせることをおすすめします。
【とがみ】 渋味が少ないとはいえ、さすがに刺身は合わないのでは?
【加藤】 もちろん白身の刺身は厳しいですよ。でも日本人が愛してやまない王道のマグロとか、血合いや鉄分を感じるような魚介とはばっちりです。今の寒い時期ならブリも。もう少し暖かくなると、カツオも出てきますね。海辺で育ったピノ・ノワールだから海の幸と合うんですよ。
【とがみ】 ワインの旨みとミネラル、そして木村家のワインならではの優しさで食材に寄り添うんですね。
【加藤】 興味深い組み合わせでしょう? ぜひこの記事を読んでくださっているみなさんにも試してみていただきたいですね。
スパークリング、赤と来たので、次は白かな? ちょいイケる白ワインを探してくるので、楽しみにしていて下さい!
◆ワインデータ
『マールボロ ピノ・ノワール2020』
[生産者]/キムラ・セラーズ
[生産地]/ニュージーランド・ マールボロ地方・ワイラウ・ヴァレー
[タイプ]/赤ワイン・辛口・ミディアムライト
[品種]/ピノ・ノワール100% ※オーガニック農法(BIOGRO認証)
[価格]/5,450円(税込)
◆ここで購入できます
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[アクセス]JR、東京メトロ日比谷線「恵比寿」駅西口より徒歩2分
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ワインコンサルタント/加藤勝也さん
1970年生まれのルージュ世代。大学卒業後、生活情報誌編集部、テレビ局などで勤務。2002年、ワインと食を学ぶため、渡仏。帰国後、ワイン専門雑誌『ワイン王国』に入社、経営に参画。ワインマーケットの現場で培ったノウハウ、食に関する知識と経験をもとに、2016年株式会社ワインアンドフードラボを設立。コンサルティングなどの実績多数。2021年より『wine@』を運営する株式会社ブロードエッジ・ウェアリンクの取締役に就任、現在に至る。
聞き手・文/とがみ淳志
1964年生まれのルージュ世代。(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート/SAKE DIPLOMA。温泉ソムリエマスター。日本旅のペンクラブ会員。日本旅行記者クラブ会員。国内外を旅して回る自称「酒仙ライター」。40歳台半ばから取材をする機会が増えてワインに目覚め、50歳で一念発起してワインエキスパートを取得。専門雑誌『ワイン王国』や酒の啓蒙サイトなどで執筆中。