育児日記として始めたブログで“ママタレント”の先駆け的存在に。
52歳の今、日常を自然体で綴るSNS発信で再ブレイク中!
渡辺美奈代さんインタビュー
1969年愛知県出身。元おニャン子クラブのメンバー。25歳、18歳の息子2人の母。
歌手、芸能活動と併せて家具・雑貨・アパレルのプロデュースや販売、ブログ・YouTube・Instagramなどでの発信で同世代のカリスマ的な人気を確立している。
元おニャン子クラブのメンバーで、デビュー早々アイドルとして絶大な人気を得た渡辺美奈代さん。2人の息子さんの母となり、15年以上続けているSNSでは料理やファッションなど日々の暮らしを綴り、注目を集めています。アイドル時代のこと、現在のこと、そしてこれからのことをお聞きしました。
おニャン子クラブ時代はまさにバブル期。どんな毎日でしたか?
16才でおニャン子クラブに入ったので、当時は高校生。おニャン子クラブは「学校にきちんと通う」というルールがあったので、学校を終えてから17時からの生放送に向かうという毎日で、お仕事が部活動のような感覚でした。
朝までお仕事をして、一旦帰宅してシャワーだけ浴びて、制服に着がえて学校へ向かう。常にマネージャーさんと一緒で、ずーっとお仕事(笑)。遊びに行くことはもちろん、お財布すら持ったことがなかった。なので、その頃バブルを感じたことってあまりなかったように思います。
今だから話せる当時のエピソードを教えてください。
当時はオートロックのマンションが少なかったので、マンションへの出入りが割と自由にできたんです。だから、今の時代には考えられないことなんですけど、ファンの方が私の部屋の前までいらっしゃることもけっこう普通にあって…(笑)。
例えば、テレビで「ペコちゃんが好き」と話すと、翌日には玄関の前にペコちゃんの大きな人形が置いてあったり、あるときはそれがケンタッキーフライドチキンのカーネルおじさんだったり。私の住むマンションの屋上で、段ボールの家を作って生活していた大学生もいました。怖い思いをしたこともありましたけど、逆に“親衛隊”という、守ってくれるファンの方もいましたし、本当に色んなことがありましたね。今となってはそれもよき思い出です(笑)。
2人のお子さんの母としてSNSでの発信が注目されていますが、“ママタレント”の先駆け的な存在ですよね。
“ママタレント”という言葉がまだなかった時代ですけど、出産後に育児の記録としてブログを始めたのをきっかけに、いわゆる“ママタレント”としてのお仕事が徐々に増えていって、自然と日々の暮らしがお仕事の一部になっていったような感じです。
SNSは長男を生んでから休むことなく続けていて、気づいたらもう15年。もともと「やってみよう」「これだ!」と直感で動くタイプで、ツイッターやインスタグラムもYouTubeも、思い立ったらすぐに自分でアカウントを作成して始めてしまうんですよね。でもアナログ人間なので、最初は片手でキーボードを打つところから。料理も全くしたことがなかったので、子どもの離乳食がスタート地点でした。
当時、SNSで発信するタレントさんはそんなに多くなかった。だからこそ「こんなに料理が苦手な私でもなんとかなるよ」と、私と同じく子育て中のママたちに発信していけたらな、という思いは強くありました。今でも、かわいい雑貨や便利グッズを見つけたらみなさんと情報を共有したいな、という思いから日々ささいなことでもアップしています(笑)。
現在、年に1回のバースデーライブも行っています。昔はライブに来てくれる方のほとんどが男性ファンの方でしたが、今は男性の方だけではなく女性の方も増えました。結婚をして子どもを出産して、SNSを通して女性のファンの方が増えてきたことはとてもうれしいです。
昔と変わらずお美しいですが、美容で気をつけていることはありますか?
毎朝豆乳を飲むことだけは、もう10年くらい日課にしています。あとは、規則正しい生活を心がけていることくらいかな?22時には就寝して、朝6時には起きるようにしています。恥ずかしながら、美容とか自分のことにはあまり時間をかけていなくて…。
先日、夫に薦められて何十年かぶりにエステに行ったくらい(笑)。でも、そろそろ自分の体をいたわってあげないといけないとは思っていて、最近になってピラティスやホットヨガを始めました。もともと汗をあまりかかない体質なんですけど、代謝がよくなった気がします。
お仕事に育児に家事にと忙しい毎日の中でのリフレッシュ法はなんですか?
とにかくおうちが大好き。だからおうちの中だけで楽しめています(笑)。家族みんなが「やっぱりおうちが一番いいな」って帰ってきてくれることがうれしいので、そんな空間を作ることが楽しいんです。料理はもちろん、お掃除もDIYもしますし、スーパーを回るのも好き。毎日の食卓に旬のものを取り入れるようにしているので、「お肉はここ、お魚ならここ」とか考えながらお買い物することも楽しいんです。日常そのものがリフレッシュになっているのかも。
人生100年時代、これからの50年をどう生きていきたいですか?
まだまだやりたいことがたくさんあります。先のことはわからないですが、5年後も10年後も、今を支えてくれている家族同然のスタッフたちと一緒にお仕事をしていたい、という軸は変わらないので、みんなにとって居心地のよい環境を整えるのが、私のひとつの役目なのかなと思っています。
年齢はあまり意識したことがなくて、今でも自分が50代だという認識はないかもしれません(笑)。一度きりの人生だから、年齢やなにかにとらわれることなく、「やりたい!」と思ったときにやりたいことをしていきたいですね。
撮影/山田燎河
スタイリング/関谷佳子
ヘアメイク/増田貴久
取材・文/門司智子
衣装/JENNE