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年齢のせい?気になるめまい、耳鳴りの
原因と治療法について教えてください。

ルージュ世代に多いというめまいや耳鳴り。

通院したり薬を飲んだりしてるけど、なかなか良くならない、という方も多いのではないでしょうか?

歳のせいかなあ、と諦めず、できれば改善させたいものですね。

脳外科の専門医に原因や治療法についてお伺いしました。

お話を伺ったのは…

陣内敬文(じんのうちたかふみ)先生

頭痛専門医、脳神経外科専門医
陣の内脳神経外科クリニック院長、天神頭痛クリニック院長

長崎県生まれ。長崎大学脳神経外科に入局。国立病院や総合病院の脳神経外科、救命救急センターなどに勤務。1995年、福岡県春日市に陣の内脳神経外科クリニック、2014年、福岡県福岡市に天神頭痛クリニックを開業。

陣の内脳神経外科クリニック


ルージュ世代に起こりがちなめまいや耳鳴りについて教えてください。

めまいや耳鳴りは、加齢によって、体の機能が衰えることから出やすくなる症状の一つです。

機能低下以外にも、病気の兆候や高血圧、脱水、持病治療のために飲んでいる薬の副作用など、さまざまな要因が考えられます。

めまいは、ぐるぐる回っているように感じる「回転性めまい」と、ふわふわと浮いているような「浮動性めまい」、歩くときにふらつきを感じる「動揺性めまい」、急に目の前が真っ暗になる「立ちくらみ」などがあります。

耳鳴りは「キーン」「ザー」「ゴー」など、人によって症状は異なります。

「突発性難聴」など、突然発症する疾患では、難聴や耳鳴りとともに、めまいや吐き気などを伴う場合もあるため、注意が必要です。

主な原因はなんでしょうか?

加齢によるさまざまな機能の低下に加え、姿勢の悪さに起因している可能性もあります。

その大きな一因となるのがスマートフォン(以下スマホ)やタブレットです。

現代社会の生活に欠かせないスマホやタブレット。画面を見ている時に、首や顔を下に向けることが多く、首が前に出てしまっているのです。

本来、自然なカーブを描く頚椎がまっすぐになってしまい(ストレートネック)、衝撃や頭の重さをうまく逃すことができず、首に負担がかかりすぎている状態になっていて、簡単に言うと、首が変形しているということです。

首には血管や内臓、呼吸器などをコントロールする自律神経の一つ・副交感神経が通っていますが、首の変形によって神経を圧迫されると副交感神経の働きが鈍くなります。これにより、めまいや耳鳴りなどを招きます。放っておくと重症化する恐れもあるので、気をつけましょう。

対策は?また、予防策はありますか?

とにかく姿勢を良くすることを心がけましょう。スマホを見る時は、下を向かず、首をまっすぐにして見るようにしましょう。

スマホやタブレットを見る時間を決めたり、アラームをかけて見る時間を制限するのも良いでしょう。

また、首の変形は姿勢とトレーニングによって緩和できる場合もあります。

私が患者さんに指導する「頭痛体操」もお勧めです。

首の筋肉を伸ばしたり、首の付け根の筋肉を鍛えたりする体操です。

当院でお伝えしている頭痛体操の一部をご紹介します。

●「合掌」のポーズを取り、腕を肩の高さまで上げ、手のひらを10秒間押し合う→5秒休む(1日10回)
●手で頭を横に倒し、首筋を20秒間伸ばす(左右1日1セット) 

など、自宅で気軽にできる運動ですので、ぜひ挑戦してみてください。

毎日のトレーニングによって、症状緩和を目指しましょう。

●陣内先生の著書をご紹介●

スマホ頭痛・マスク頭痛・天気痛などといった
新型頭痛の対処法を詳しくご紹介。

『クスリの効かない新型頭痛の治し方
~7万人を治療した専門医が新型頭痛と三大頭痛をやさしく解説』

現代書林
著/陣内敬文

頭痛が3ヵ月で完治する最新治療から、
簡単にできる「頭痛体操」まで、頭痛専門医がやさしく解説。

『頭痛薬をやめて頭痛を治そう!
~「頭痛外来」で1万人を治した名医からのアドバイス』

現代書林
著/陣内敬文

取材・文/YOOOOOOOKO(よーこ)

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