華やかなバブル期を経ても、ずっと変わらず自分を貫く。
田中美奈子さんインタビュー
ドラマで“悪女”役を一手に引き受けていたあの時代も普段着はTシャツにジーンズのアウトドア派でした
24時間戦っていたあの頃
デビュー当時はとにかく忙しかったですね。今振り返っても驚きますが、睡眠時間は1週間に10時間!1日5食なのにどんどん痩せていくハードなスケジュールでした。
〝24時間戦えますか?〞というCM や、〝5時から男〞という言葉が流行っていて、終業時間が近づくとサラリーマンが元気になる時代(笑)。 みんな遊ぶために働き、女性はボディコンを着てアピール。テンションが高い時代でした。
ドラマ撮影でもお金の使い方が現実離れしていましたが、あの頃の金銭感覚はすごかったですね。
仲間の存在に助けられる
バブルがはじけた後は仕事がうまくいかず、大変だった方も少なくなかったと思います。でも、この時代に活躍した人は、辛いことも〝糧〞にして、今でも活躍しています。〝生きていればなんとかなる!前を向いていればなんとかなる!〞っていう気持ち、そして〝みんなと今を分かち合いたい〞という仲間を大切にする気持ちが強かったように感じます。
私の芸能界での転換期は、ドラマ『ゴリラ・警視庁捜査第8班』に出演させていただき、渡哲也さんと出会ったこと。渡さんは仕事に対して厳しい人でしたが、同時にスタッフを大切にする気持ちも強く、 私のハードスケジュールを心配して、事務所に直談判してくださったことも。また撮影後、お世話になった地元の方々に料理やお酒を振る舞われたり、なんと私にはドラマ内で使用した車と同じものをプレゼントしてくださったり、ケタ違いの懐の深さ。その影響で、私も大好きなパラオにスタッフを招待し、みんなで楽しい時を過ごしたことを思い出します。 今でもおいしいものはたくさん買ってお裾分けします。
〝みんなで共有したい〞という気持ちが先立ってしまうのは、渡さんの教えとバブル期の名残があるからなのかもしれません(笑)。
根っこの部分は昔から変わりませんが、 今はいい意味で執着がなくなり、自分の望む仕事を選んでいけたらと思っています。私、〝絶対にこうなる!〞という引き寄せ力が強いんです。
憧れのキャンピングカーアンバサダーに就任
ボディコンのイメージが強い私ですが、昔から普段着はTシャツとジーンズでアウトドア好き。等身大の自分で仕事をしたいと思っていたら、2年前より日本RV協会の公式キャンピングカーアンバサダーに就任することができました。そして、今年から公式親善大使に。
キャンピングカーなら、移動も寝食もソーシャルディスタンス。コロナ禍の今でもいろんな土地を巡ることができます。さらに備蓄もでき、災害時の避難場所にもなります。
今の時代、一家に一台ぜひおすすめしたいですね。
これからは好きなことで人の役に立ちたい
withコロナが長く続いていますが、私たち家族はwi thキャンピングカー!将来は夫が若い頃に住んでいたサンディエゴ、私が大好きなパラオ、そして東京の3つを拠点に活動していきたいと考えています。自分が好きなことで誰かの役に立つことができたら幸せ。
そのためにも元気で長生きして、バブル時代同様、自らの手で幸運を引き寄せていきたいですね。
1967年千葉県出身。85年デビュー。
瞳に1億円の保険をかけたことも話題に。
現在、2児のママ。
パラオ共和国 名誉親善大使
日本RV協会公式キャンピングカー親善大使
NPO法人 動物愛護団体 elf 理事長
取材・文/近藤鈴佳
撮影/小林正克