明日、目が覚めなくても悔いはない!
毎日が楽しい60歳目前の今、心がバブル期です!
つちやかおりさんインタビュー
『3年B組金八先生』でドラマデビューし、現在は舞台やライブなどで活躍するつちやかおりさん。元夫の布川敏和さんとは高校時代から約9年間の交際を経て結婚。21年目に離婚しますが、現在は“家族”として良好な関係を築いています。ドラマの撮影秘話やフッくんとの恋愛話、離婚から今に至るまでのことなど、包み隠すことなく語って下さいました。
今だから話せる『3年B組金八先生』の撮影秘話
『3年B組金八先生』といえば今では誰もが知っている大ヒットドラマですが、最初の第1シリーズは演技未経験がほとんどだったんです。私自身もこのドラマで芸能界デビューしたんですけど、オーディションはなくて面接のみ。キャラクターで決まったようなものだと思います。
もちろん、杉田かおるちゃんや鶴見慎吾君、三原じゅん子ちゃん、あ、今は“先生”ですね(笑)、のようにお芝居経験者もいたけれど、素人が何十人もいる現場なので、毎回ぶっつけ本番に近い形で進んでいました。今では考えられないですけど、収録が長引くとリハーサルでも本番でも誰かが寝てしまう、なんていうことも日常茶飯事。金八先生の長台詞の後にひと言だけ間違えて頭から撮り直し、とか(笑)。
ドラマが始まって、2話くらいで視聴率が一気に跳ね上がると、雑誌やテレビの取材が突然入ってきて、それはなんだか夢のような世界でしたね。マッチなんて外に出られないくらい大人気で、凄かったですよ! 週に4日はTBSにいて、テストの時だけ学校に行く、というような生活で、「ふつうに学校に行くよりも現場の方が勉強にもなるし、楽しいよね」って“仕事半分遊び半分”というような感覚で和気あいあいとしていました。
フッくんとの恋愛、そして結婚に至るまでは?
時代はバブルですし、周りも10代の頃からけっこう遊んでいたと思うんですけど、私の場合は18歳ぐらいから元旦那さん(元シブがき隊の布川敏和)とお付き合いしていたので、デートはもっぱら家でしたし、外でデートしたり遊んだりはほとんどしてないかも。
彼は遊び人だったので、よく外で遊び回っていましたけど(笑)。私は家で会える人、という位置づけだったんじゃないかな。当時、彼のことが大好きだったので、家で彼の帰りをずっと待っている感じ。21歳で同棲を始めたんですけど、別れてはまたすぐに戻る、の繰り返しで、約9年間付き合いました。
プロポーズは本人からではなくて、彼の事務所のマネージャーさんからだったんですよ(笑)。「かおり、30歳前には子ども2人欲しいって言ってたよね?今少し落ち着いてきたし、そろそろいいんじゃない?春くらいに婚約会見して、秋ぐらいに結婚という段取りだったらこちらで組むけど。これから本人には伝えるけど」って(笑)。その流れで結婚に至りました。
20年間の専業主婦を経て離婚。今の距離感が心地よい
結婚と同時に芸能界を事実上引退して、20年間専業主婦。でも結婚生活の中で、小さなすれ違いの積み重ねから離婚を考えるようになって。
離婚するなら自分も働かなきゃと思って、「やっぱりここしかない」と芸能界に復帰しました。上2人が成人して、末っ子と2人ならなんとか暮らしていけるかな、と結婚21年目での離婚でした。
私なりに離婚のサインは出していたつもりなんですけど、彼は全く気付いてなかったみたい(笑)。今となっては、もっと話し合いをすればよかったのかな、とは思います。
でも離婚しても、子どもも孫もいますし、家族は家族。不思議なもので、男女の関係だったり夫婦だったりすると許せなかったことが、ファミリーだと思うと相手に求めるものがなくなるというか(笑)。今は本当にちょうどいい距離感です。
離婚するまでに別居期間もありましたけど、今は子どもや孫の話はもちろん、お互いの仕事の話もします。私の舞台に彼がゲスト出演することも。お互いに面白がって、楽しんで、色々なことができるようになった気がします。
舞台にライブにと仕事も楽しくてしょうがない!
現在、舞台とライブを中心に活動しています。『おばドルゆみこ2024』の舞台は全10回公演が満員御礼で感無量でした。
ライブは毎年1回行っていますが、今年は還暦の年なので、もっとたくさんしたいですね。3月20日にはベストアルバムをリリースします。有難いことに、特にこの数年はやりたいなぁと思っていた仕事に恵まれていて、毎日楽しくてしょうがないです。
「あ〜今日も楽しかった!明日目が覚めなくてもいい」
そう思える毎日を過ごして生きたい
気持ち的には今が私のバブル期です(笑)。バブルの意味は違いますけど。
「今、死んでもいいな」って思えるぐらい、毎日を楽しんでいます。だって明日死ぬかもしれないですし、先のことなんてわからないですから。
今日という1日をつまらない日にせず、楽しく生きていたいな。
専業主婦だったり子育て中だったり、いろんな立場の方がいらっしゃると思うんですけど、その中で楽しめることって、きっとあると思うんです。なにかひとつでもそういうことを見つけて、1日1日を盛り上げて楽しく生きていきましょう!
撮影/矢部ひとみ
文/門司智子