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コロナ後遺症頭痛の症状と治療法

福岡県で27年、頭痛専門医として多くの方を治療している陣の内脳神経外科クリニック院長の陣内先生に、最近患者が増えているというコロナ後遺症頭痛について取材しました。

お話を伺ったのは…

陣内敬文(じんのうちたかふみ)先生

頭痛専門医、脳神経外科専門医
陣の内脳神経外科クリニック院長、天神頭痛クリニック院長

長崎県生まれ。長崎大学脳神経外科に入局。国立病院や総合病院の脳神経外科、救命救急センターなどに勤務。1995年、福岡県春日市に陣の内脳神経外科クリニック、2014年、福岡県福岡市に天神頭痛クリニックを開業。

陣の内脳神経外科クリニック


「コロナ後遺症頭痛」の患者さんは増えているのですか?

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の厄介な点は、さまざまな後遺症に悩まされることです。主に倦怠感や味覚障害などの後遺症が挙げられますが、中でも頭痛を訴える患者さんが増えています。当院にも1日平均3~4人、少なくとも1日1人以上はコロナ後遺症頭痛の患者さんがいらっしゃいます。

どんな症状なのですか?

コロナ後遺症頭痛は、ウイルスが血管に炎症を起こさせることで発生する痛みと考えられているため、片頭痛に似ていますが、異なる疾患ですので専門の治療が必要です。

また、新型コロナのワクチン接種後に同じような症状になる方もいらっしゃいます。

通常の片頭痛は、治療で3日程度で治りますが、新型コロナの後遺症頭痛は1~2ヶ月持続し治りにくいのが特徴です。特に通常のトリプタン頭痛薬は効果が悪いため、コロナ血管炎専用の治療を要しますので頭痛専門医を受診することがお勧めです。

「コロナ後遺症頭痛」の対処法や改善方法について教えてください。

新型コロナの後遺症については、未だ不明点が多く、新型コロナに罹ったというだけでも不安や恐怖心が強まり、睡眠障害に陥るという傾向もあるようです。このため、新型コロナ感染後の治療や療養が終わっても痛みが続くようでしたら1人で我慢せずに、かかりつけ医や専門のクリニックに診てもらうことをお薦めします。

改善方法についてですが、頭痛の元と考えられる炎症を抑えるために、ステロイド薬の点滴などを行うことで、症状が軽くなることがあります。大抵の場合は、2~3日もすれば改善しますが、稀に1~2ヵ月にわたって痛みが慢性化する場合もあるので、注意が必要です。症状が悪化すると、脳炎や髄膜炎などを引き起こす可能性もあるため、早め早めの対処を行うと良いと思います。

とにかく、痛みを感じたら我慢しないこと。
健康に関連したQOL(Quality of Life /生活の質)を低下させないことが大事だと思います。

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著/陣内敬文

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取材・文/YOOOOOOOKO(よーこ)

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