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九州・大分市&別府市
新しい旅の提案
「建築」&「アート」をめぐる旅
~大分市編~

大分県と言えば、そう「温泉」。

源泉数・総湧出量は日本一を誇り、大分県内ではほぼ全域で温泉が湧出しています。

全国に名を馳せる温泉リゾート湯布院や、街のそこかしこから湯けむりが立ち上る別府、世界屈指の炭酸泉が湧く長湯、風情豊かな山あいにある筋湯、その他日田、九重など、温泉地のバラエティも豊かです。

でも…実は大分県には、まだあまり知られていない温泉以外の魅力があるんです!

それが「建築」と「アート」。

世界的に有名な建築家の輩出や、現存する多くの歴史的建築物、さらに話題のアートホテルの出現など、大分県は魅力的な「建築」と「アート」に溢れているのです。

そこで、大分市と別府市の「建築」と「アート」に焦点を当てた大分の新しい旅をご提案します。

温泉だけじゃない、いつもとは違った大分を楽しんでみませんか。

※この記事は2022年5月時点での情報です。休業日や営業時間など最新の情報は、各施設・店舗へお問い合わせください。


駅のホームが美術館!?
アート空間のあるJR大分駅

陸の玄関口・大分市内中心部に位置するJR大分駅。

日豊本線、久大本線、豊肥本線の3つの路線が乗り入れ、4方向に路線が分岐するなど、利便性に優れ、1日に約4万人が利用しています。

2012年の大規模リニューアルで、“デザイナーズ駅”のひとつとなった大分駅。

手がけたのは、列車のデザインなどをされている水戸岡鋭治氏。

天井や床、ガラス張りの駅長室など細部にまでこだわって造られていて、駅内は見応え抜群なのです。

さらに2021年9月、突如ホームにアート空間が登場しました。

その名も「大分ステーションホームギャラリー」。

ホームの一角に設けていた元喫煙室がアート空間に大変身。

考案したのは、JR大分駅の甲斐駅長※当時(写真)です。

「アートの溢れる街になってほしい」という想いで、大分県立美術館(OPAM)と大分市美術館に協力を依頼。2つの美術館や地元の人の協力を得て、晴れて「大分ステーションホームギャラリー」として、喫煙室が生まれ変わりました。

アート空間の大きさは約15㎡で四方はガラス張り。

3・4番ホームでは大分県立美術館(OPAM)が、5・6番ホームでは大分市美術館が、それぞれプロデュースする作品が展示されています。

旅のスタートに、駅のホームにある2つの小さな美術館をぜひ覗いてみてください。

■JR大分駅

[TEL]097-532-1958
[住所]大分県大分市要町1-1


街中に突如現れる
世界的建築家・磯崎新氏が手がけた
「アートプラザ」

ここは大分市の中心部。建物はギャラリーなどからなる大分市の複合文化施設です。この建物の設計は、大分県出身の世界的建築家・磯崎新氏によるもの。

磯崎新氏と言えば、建築界のノーベル賞と言われているプリツカー賞を2019年に受賞し、国内外で名を馳せる建築家です。その代表作とも言える建物が、この「アートプラザ」なのです。

1966年に「大分県立大分図書館」として竣工し、1998年に「アートプラザ」としてリニューアルしました。図書館時代には、日本建築学会賞を受賞しています。

写真提供:アートプラザ

館内に一歩足を踏み入れると、目の前には「60’Sホール」があります。

1960年代に活躍したアーティストや60年代をテーマにした作品を紹介しているホールです。

グリーンの床に奧の赤い壁が映り込み、吊り橋のような渡り廊下。ここもアート空間のよう。

3階には磯崎新建築展示室があり、建築に関する模型や資料などが展示されています。

■アートプラザ

[TEL]097-538-5000
[住所]大分県大分市荷揚町3-31
[営業時間]9時~22時(ミュージアムショップは~17時、磯崎新建築展示室は~18時)
[定休日]12/28~1/3
[料金]入館料無料
[アクセス]JR大分駅より徒歩10分、東九州自動車道大分ICより15分
[駐車場]あり※要確認

「アートプラザ」の詳細はこちら
http://www.art-plaza.jp/


世界的建築家・坂 茂(ばん しげる)氏設計による
「大分県立美術館(OPAM)」

写真提供:大分県立美術館(OPAM)
写真提供:大分県立美術館(OPAM)

大分市の中心部にある全長90mのガラス張りのミュージアム。それが「大分県立美術館(OPAM)」です。

オープンは2015年4月。2022年3月には来館者数が通算350万人を突破するなど、開館以来、注目を浴び続けています。

設計は、こちらもプリツカー賞を受賞した坂 茂氏。建築そのものが丸ごとアートになっていて、館内には「建築」を楽しめる仕掛けが散りばめられています。

写真提供:大分県立美術館(OPAM)

坂 茂氏がコンセプトとしたのは「街に開かれた縁側としての美術館」。

それを体感できるのがこちらです。

1階は外から中の様子がわかるよう、全面ガラス張りになっています。さらに、南側の「ガラス水平折戸」は開閉式。窓を開けると、美術館と街がひとつになったように感じられる仕掛けに。

3階の屋外展示スペース。天井部分は大分県が誇る伝統工芸・竹工芸の「六つ目編み」をイメージさせる木組の屋根になっています。

まるで天井まで含めた一つのアート作品のようです。

木は大分県産の杉、床に使われているのは温かい素材感の「日田石」と、素材は大分県産にこだわっています。

上記で紹介したスポットは美術館内の無料ゾーンにあります。また希望すれば受付で美術館の「建築さんぽマップ」をもらえるので、マップを参考に館内で建築ツアーをしてみるのもオススメです。

ボランティアスタッフによる館内ガイドも行っていますので、ぜひご参加ください。(不定期・Webサイトで告知)

■大分県立美術館(OPAM)

[TEL]097-533-4500
[住所]大分県大分市寿町2-1
[開館時間]10時~19時、金・土は~20時(入場は閉館の30分前まで)
[休館日]なし
[アクセス]JR大分駅より徒歩15分、東九州自動車道大分ICより10分
[駐車場]250台

「大分県立美術館(OPAM)」の詳細はこちら
https://www.opam.jp/


レトロな赤レンガの建物で大分土産を
「Oita Made Shop 赤レンガ本店」

写真提供:Oita Made Shop 赤レンガ本店

大分銀行の前身・二十三銀行の本店として建てられた赤レンガの建物。

場所は大分駅前から続く中央通り沿いにあり、その存在感はひときわ目を引きます。

どこかで見たことあるような…。そう思われた方も多いのではないでしょうか。

そう、実は東京駅などを手がけた辰野金吾氏による設計なのです。

赤レンガに丸窓や窓の格子、ドーム塔屋の見事なバランスなど、典型的な「辰野式」の建築方式が散りばめられ、見応え抜群です。

建物は1913(大正2)年に建てられたもので、一度焼失したものの、1949(昭和24)年に再建。1953(昭和28)年からは大分銀行本店として、1966(昭和41)年まで使用されていました。

写真提供:Oita Made Shop 赤レンガ本店

赤レンガの建物の中は「Oita Made Shop」が入っています。

こちらは大分県の農産物や加工食品、工芸品などを販売するセレクトショップです。店内には約400もの商品を販売。大分の文化を感じられる竹細工の工芸品や型染めした手ぬぐいをはじめ、大分県産のさつまいもを使ったOita Madeオリジナルパッケージのスイートポテトなどのお菓子、柚子ごしょうなどの加工品、などなど「大分のいいもの」が所狭しと並べられています。

大分旅行のお土産選びはこちらでいかがですか?

■Oita Made Shop 赤レンガ本店

[TEL]097-533-1616
[住所]大分県大分市府内町2-2-1
[開館時間]11時~18時
[休館日]水曜(祝日の場合は営業)
[アクセス]JR大分駅より徒歩7、東九州道大分ICより10分
[駐車場]なし

「Oita Made Shop 赤レンガ本店」の詳細はこちら
https://oitamade.jp/

別府市編はこちら

取材・文/YOOOOOOOKO(よーこ)

福岡在住、フリーライター。蠍座のA型。九州・沖縄の旅とグルメが得意分野。好きなのは映画、ドラマ、音楽、スイーツ、散歩、スタンプラリー。コロナ禍にギターをはじめ、練習に励む日々。 

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